「サイズを測ったのにウィッグがきつかった」「緩くてずれてしまう」という経験はありませんか。原因の多くは、測定箇所や測り方がずれていることです。オンラインでウィッグを購入される方も多く、編集部のメンバーにも同じ経験があります。この記事では、ウィッグ購入前に確認しておきたい3つの計測箇所と、正確に測るためのコツを解説します。
この記事でわかること
- 計測に必要な道具の選び方
- 頭囲・前頭囲・耳間距離の3つの測り方
- 測定時によくある失敗とその防ぎ方
- 測定値をサイズ表に当てはめる方法
測定に必要なもの

用意するものは2点だけです。
布製メジャー(ソフトメジャー)
裁縫用の布製メジャーを使います。金属製の巻き尺や定規では頭の曲面に沿わせることができないため、正確な数値が出ません。100円ショップでも手に入ります。
鏡
後頭部の測定ラインを確認するために使います。姿見と手鏡を組み合わせるか、スマートフォンのインカメラを使うと後頭部が確認しやすくなります。
あると便利:インナーネット(ウィッグ装着前に地毛をまとめるネット)
地毛がある場合、インナーネットを着けた状態で測ると、実際の装着条件に近い数値が得られます。持っていない場合は地毛を平らにまとめた状態で測ります。
3つの計測箇所と測り方

測定箇所は3つあります。最も重要なのは「頭囲」で、ほぼすべてのウィッグブランドがこの数値を基準にサイズ表を作成しています。
前頭囲と耳間距離は、既製品を選ぶだけであれば必須ではありません。オーダーメイドやセミオーダーを検討する場合や、頭囲は合っているのにフィット感が悪いときに、原因を絞り込むために使う数値です。まずは頭囲を正確に測ることから始めてください。
1. 頭囲(最重要)
ウィッグのサイズ選びで最も使う数値です。
測定ライン:額の中央(生え際)から、両耳の上を通り、後頭部の最も出っ張った部分(後頭隆起)を通って一周するラインです。「ぼんのくぼ(首の付け根のくぼみ)」より2〜3cm上を通るイメージです。
手順
- インナーネットを着けるか、地毛を平らにまとめる
- メジャーの先端を額の中央(生え際の最も低い位置)にあてる
- 右耳の上を通り、後頭部の最も出っ張った部分を確認しながら左耳上へ
- 額の中央(測定開始点)に戻り、数値を読む
- 2〜3回測って平均を取る
目安:日本人の平均は54〜58cm程度とされています。個人差が大きいため、必ずご自身で測った数値を基準にしてください。
2. 前頭囲
キャップの前後方向のフィットに影響する数値です。ブランドによってはサイズ表で「F.C.」と略記されることがありますが、表記は統一されていません。
測定ライン:額の中央から、右耳の上を通り、左耳の上まで(頭の前面だけを一周する弧)。
手順
- メジャーの先端を額の中央(生え際)にあてる
- 右耳上を経由して左耳上まで通す
- 数値を読む
3. 耳間距離
キャップの横幅・サイドフィットに影響します。ブランドによっては「E.E.」と略記されることがあります。
測定ライン:右耳の上から頭頂部を越え、左耳の上まで(頭を横断する弧)。
手順
- メジャーの先端を右耳の上(耳の付け根の上端あたり)にあてる
- 頭頂部を通り、左耳の上まで通す
- 数値を読む
測定時の注意点:よくある失敗
後頭部を低く通しすぎる
最も多いミスです。後頭部のラインが「ぼんのくぼ」に近すぎると実際より小さな数値が出て、購入したウィッグがきつくなります。後頭部は「最も出っ張った部分(後頭隆起)」を必ず通してください。
メジャーをたるませる
メジャーがたるむと実際より大きな数値が出ます。かといって強く締めすぎてもいけません。指1本分を頭とメジャーの間に差し込める程度の張りが目安です。
地毛をまとめずに測る
地毛が多い状態のまま測ると、インナーネットを着けた装着時より数値が大きくなります。できるだけ装着時の条件に近づけて測りましょう。
起床直後に測る
起床直後は顔全体がむくんでいることがあります。活動を始めて1時間以上経ってから測るのがおすすめです。
より正確に測るためのコツ
できれば誰かに手伝ってもらう
後頭部のラインを正確に通すのは、鏡越しでも一人では難しい部分です。ご家族や友人に手伝ってもらえると、測定ラインがずれにくくなります。
髪が長い場合はまとめ方を工夫する
「平らにまとめる」といっても、髪が長いとどうしてもボリュームが残ります。低い位置で細く結ぶ、編み込んでから頭に沿わせる、インナーネットで押さえるといった方法で、できるだけ厚みが出ないようにしてください。厚みが残ったまま測ると、実際より大きな数値になります。
初回の数値は鵜呑みにしない
測定には慣れが必要で、初めて測るときは数値がばらつきやすくなります。同じ日に2〜3回測るだけでなく、日を変えてもう一度測ってみると、より確かな数値に近づきます。
測った数値は日付とともに記録する
せっかく測っても、購入時に思い出せなければ意味がありません。スマートフォンのメモなどに日付とあわせて残しておくと、買い替えのときにも参照できます。
測定値をサイズ表に当てはめる方法
測定できたら、購入予定のブランドのサイズ表と照合します。
| 自分の頭囲 | 目安のサイズ |
|---|---|
| 52〜54cm | S |
| 55〜57cm | M(最も一般的) |
| 58〜60cm | L |
境界値(57〜58cm付近)の場合はMとLのどちらも候補になります。アジャスターで調整できる余地があるため、まずMを試してきつすぎないかを確認し、きつく感じるようであればLに変更してアジャスターで締めて調整するのが確実です。試着できない場合は、アジャスターの調整幅が広いタイプを選ぶと安心です。
上の表はあくまで一般的な目安です。同じ「M」でもブランドによって想定する頭囲が異なるため、購入前に必ずそのブランドのサイズ表を確認してください。
また、頭囲が同じでも頭の形によってフィット感は変わります。後頭部が平らな方(いわゆる絶壁)、側頭部が張っている方(はちが張っている)は、頭囲だけで判断すると合わないことがあります。測定値はあくまで出発点と考え、可能であれば試着して確かめるのが最も確実です。
フリーサイズ(頭囲54〜59cm対応)のウィッグは、この範囲に収まっていればほぼ問題ありません。アジャスターの使い方や、測定後のサイズ選びの詳細については「ウィッグのサイズ選び:フィット感チェックのポイント」で解説しています。
まとめ
- 計測には布製メジャーを使う(金属製は不可)
- 測定箇所は頭囲・前頭囲・耳間距離の3つ。頭囲が最重要
- 後頭部は最も出っ張った部分を通す。低すぎると小さい数値になる
- メジャーは指1本分の余裕を持たせて測る
- 境界値の場合は可能なら試着して判断し、難しい場合はアジャスターの調整幅が広いタイプを選ぶ
- 同じサイズ表記でもブランドによって想定頭囲が異なる。購入先のサイズ表を必ず確認する
- 頭囲が同じでも頭の形でフィット感は変わる。測定値は出発点と考える
ウィッグ選び全般のポイントは「失敗しないウィッグの選び方6つのポイント」もあわせてご確認ください。