ウィッグは、乾かし方ひとつで仕上がりの自然さも寿命も大きく変わります。
とくに人工毛と人毛では適した方法が大きく異なるため、誤った乾かし方を続けてしまうと、
- 形崩れ
- パサつき・広がり
- 静電気・絡まり
- ベース素材への負荷
などのトラブルにつながることがあります。
この記事では、人工毛ウィッグと人毛ウィッグそれぞれに合った 正しい乾かし方と、自然に仕上げるためのスタイリングの基本を解説します。
乾かし方が重要な理由
ウィッグは素材の特性上、人工毛も人毛も共通して濡れている状態に弱い という共通点があります。

■人工毛ウィッグ
- 耐熱性でない場合は、熱に弱く形状記憶が変化しやすい
- 摩擦に弱く、濡れたまま動かすと絡まりやすい
- 湿ったまま放置すると、元の形に戻りにくい
■人毛ウィッグ
- 濡れるとキューティクルが開き、傷みやすい
- 自然乾燥だけでは広がりやうねりが出ることがある
- 根元が湿ったまま放置すると衛生面でもデメリットがある
乾かし方は、仕上がり・自然さ・耐久性のすべてに影響する工程です。
人工毛ウィッグの乾かし方(基本ステップ)
特に耐熱性ではない人工毛の場合は熱に弱いため、ドライヤーの温風は使わず自然乾燥が基本です。

◎ステップ①:タオルで“押し吸い
- こすらない、絞らない
- タオルで優しく水分を吸い取る
◎ステップ②:軽くコームを通して形を整える
- 目の粗いコームで毛流れを整える
- 濡れた状態はデリケートなため、力を入れすぎない
◎ステップ③:スタンドにかぶせて自然乾燥
- 風通しのよい場所で陰干し
- 直射日光やヒーターの前は避ける
◎ステップ④:乾いたらブラッシングで整える
- 人工毛は乾くと形状記憶が戻りやすいため、軽いブラッシングで整えるだけで問題ありません。
人毛ウィッグの乾かし方(自然乾燥+低温ブロー)
人毛ウィッグは、自然乾燥だけでは毛髪のくせ次第にもよりますが、広がりやすい素材です。そのため、以下の組み合わせが最適です:
- 自然乾燥で7〜8割乾かす
- 低温ドライヤーで毛流れを整える

◎ステップ①:タオルドライ(優しく押し吸い)
こすらずに水分を取り、摩擦を最小限にします。
◎ステップ②:コームで毛流れを整える
- 濡れた人毛は特に繊細
- 目の粗いコームを使用
- 毛先→中間→根元の順で通すのが基本
◎ステップ③:自然乾燥で7〜8割まで乾かす
風通しの良い場所で、根元までしっかり乾かす意識で。
◎ステップ④:低温ドライヤーで仕上げブロー
- 熱を当てすぎない
- 根元から毛流れに沿って乾かす
- 仕上がりの自然さが大きく変わるポイント
◎ステップ⑤:アウトバスケアで“保護しながら整える”
人毛は地毛と同じくケラチンでできていますが、頭皮から油分が補給されないため、乾燥しやすい素材です。
そのため、乾かしたあとには以下のようなアウトバスケアが有効です:
- 保湿ミスト
- 軽めのヘアオイル
- クリームタイプのアウトバストリートメント
目的は 質感を整えるだけでなく、熱・摩擦・乾燥から毛髪を保護すること。
ベタつくほどの量は不要で、ウィッグの状態に合わせて“適度に”取り入れることが大切です。
素材別スタイリングの考え方
■人工毛ウィッグのスタイリング
人工毛は形状記憶されているため、スタイリングはシンプルです。
- ブラッシングで流れを整えるだけ
- 耐熱性でない場合の高温スタイリングは変形の原因
- ボリュームを出すときは根元を軽く持ち上げる程度
■人毛ウィッグのスタイリング
自由度が高い分、扱い方も丁寧さが必要です。
- 低温ドライヤーで自然な丸みを作る
- 軽いヘアアイロンは可能(高温はNG)
- 仕上げに少量のアウトバスケアで整える
■コーム(くし)選びのポイント
スタイリング前後のとかし方はウィッグの寿命に直結します。
- 目の粗いコーム:濡れた状態でも入りやすい
- 静電気が起きにくいタイプ(人工毛に適)
- 毛先から中間。根元の順でとかす
- 金属製の細かいコームはNG(摩擦・絡まりの原因)
コームについては別記事で詳しく扱う予定ですが、ここでは「摩擦を減らすために適した道具を使うこと」が重要という点を押さえておいてください。
乾かす時のNG行為
❌人工毛
- ドライヤーの温風(耐熱性でない場合)
- 高温アイロン(耐熱性でない場合)
- 半乾きでの着用
❌人毛
- 高温ドライヤーで一気に乾かす
- 強いブラッシング
- 同じ箇所に熱を当て続ける
よくある仕上がりトラブルと原因
■広がる・パサつく(人毛)
自然乾燥のみ・保湿不足・ブロー方向が逆
■カールが戻らない(人工毛)
熱ダメージで形状記憶が変化した可能性
■におい・ムレ
根元まで乾いていないまま保管したケース
■からまり(人工毛・人毛共通)
摩擦・静電気・乾燥が原因
まとめ
乾かし方は、ウィッグの自然さ・扱いやすさ・寿命に大きな影響を与える工程です。
- 人工毛:自然乾燥が基本
- 人毛:自然乾燥+低温ブローで仕上げるのが最適
- アウトバスケアは保湿だけでなく毛髪保護として重要
- コーム選びひとつでもダメージを減らせる
素材の特徴に合わせて丁寧に扱うことで、ウィッグはより長く、美しい状態を保つことができます。